なでしこジャパンは大きな転換期を迎える。MF宮間は15年W杯カナダ大会後に代表引退を決意し、周囲の関係者にも伝えた。だが昨季限りで澤さんが引退したために翻意した経緯がある。リオ消滅でひと区切りだが、この日は意地の決勝アシストを記録。31歳のベテランは「代表は自分で行きます、行きませんというところではない。現役でいる限りは目指すところだと思う」と含みを持たせた。

 次の目標は4年後の20年東京五輪。11年W杯ドイツ大会の初優勝メンバーも岐路に立つ。GK福元はW杯や五輪などの世界大会に出場する意思はない。FW大野は「東京までは考えてない」と発言。DF近賀もスタメン起用が減っている。

 代表は選ばれてこその活動だ。今後は世代交代の波も押し寄せる。DF鮫島、岩清水、MF阪口もU-23(23歳以下)代表らとの競争を余儀なくされる。「サッカー人生は続く」と4年後を視野に入れるMF川澄も34歳で迎える五輪で、日の丸を着られる保証はない。佐々木監督から背番号10を託されたFW大儀見、25歳のDF熊谷らがなでしこの魂を継承する役割を担う。【益田一弘】