メキシコ1部パチューカのMF本田圭佑(31)が、11月に欧州に遠征する日本代表メンバーから外れる可能性が高くなった。27日、クラブ関係者が示唆した。25日のメキシコ杯決勝トーナメント1回戦のサカテペク戦で、7月の加入後初めて2得点するなど調子は上向きだが、10月の国内での2試合に続いて招集見送りとなる見込み。日本代表メンバーは31日に発表される。

 11月の日本代表の欧州遠征にも本田が招集されない可能性が高くなった。10月に入り、本田はパチューカの公式戦全4試合に先発起用され、25日のメキシコ杯サカテペク戦で2得点するなど、リズムを取り戻しつつある。だが、クラブ関係者は「11月もホンダはこちらに残ってトレーニングすることになりそうだ」と言う。日本協会側と話し合いが持たれた可能性がある。10月に続く、ハリルホジッチ監督の本田外しが現実味を帯びてきた。

 10月に国内で戦ったニュージーランド、ハイチとの2試合では招集が見送られた。その際、ハリルホジッチ監督は「現時点でのコンディションでは代表ではプレーできない」と説明したが、12月のクラブW杯(UAE)を見すえて欧州遠征したパチューカに対する配慮もあった。しかし、今回はブラジル、ベルギーという世界トップクラスとの腕試し。主力以外を多く起用した10月の2試合とは意味合いが違う。6月開幕のW杯に向けて、チームの完成度を高めなければいけない時期でもある。

 11月の2戦は国際Aマッチで、日本協会には招集の強制力がある。パチューカは拒否できない。ただ、パチューカはクラブW杯を控えるという事情がある。ほとんどの海外組には移動の負担がないと言っていい欧州遠征だが、本田はメキシコからの長距離移動と時差調整が必要。ハリルホジッチ監督がこの2点を考慮するかもしれない。

 パチューカは、日本代表が発表される1日前の29日(日本時間30日)にリーグのサントス・ラグナ戦がある。本田の先発は濃厚で、プレー内容次第では滑り込みで代表入りする可能性もある。本田は前回の代表から漏れた直後の9月28日、ツイッターで「先は長い。じっくり確実に進むよ。亀のように。」とつぶやいた。約8カ月後のW杯本大会に向け、最後は“亀”が勝ったとなるのだろうか。

 ◆本田の招集外 本田は10月の2試合で代表から外れた。これは、けがや国内組で編成された東アジア杯などを除けば、09年3月のW杯南アフリカ大会のアジア最終予選バーレーン戦(埼玉)以来、実に8年ぶりだった。当時の日本代表は岡田武史監督が率い、本田はオランダ2部のVVVでプレーしていた。