【江陰=小杉舞】森保ジャパンが公式戦初陣を勝利で飾った。20年東京五輪世代のU-21日本代表は、パレスチナに1-0で辛勝。前半20分にDF板倉滉(20=仙台)が先制点を挙げるなど優位に進めたが、その後は攻めあぐねた。森保一監督(49)の下、2年半後の地元五輪へ基盤を作る大会で連覇に向けて白星発進したが、課題も残った。次戦は13日にタイと戦う。

 うっすらモヤがかかった中国の夜空のように、選手の心も晴れなかった。ワンプレーごとにブーイングが起こるアウェー状態。前半20分、攻め上がったDF板倉が右足で冷静にゴール左へ決めた。狙い通りの展開に森保監督も「板倉が後ろからよくチャレンジしてくれた」と褒めた。わずか5人の日本サポーターの声援を受け、攻撃の口火を切ったはずだった。

 だが、17年シーズンを終えて2日に始動したばかり。後半は動きも鈍る。前線にボールが出ず、MF岩崎も「体が重い感じはあった。(敵の)間でボールを受けようと意識しすぎた。もっと改善しないと」と反省しきり。指揮官は「体力が落ちてくるのは想定内」としながら「相手のギアが上がってきた時にプレッシャーを回避できるようクオリティーを上げていきたい」と課題を挙げた。

 東京五輪まであと2年半。昨年のU-20W杯メンバーや森保ジャパン初遠征のタイ組と大幅にメンバーが変わる中、選手間で自発的に時間を取って話し合うことも少ないという。「上げていける課題は出た」と森保監督が言うように、辛勝もいい経験となったはずだ。