日本サッカー協会の田嶋幸三会長(60)が9日、東京・JFAハウスで緊急会見を開き、日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(65)の解任と西野朗新監督(63)の就任を発表した。

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 厳しいタイミングではあるが、いい決断だと思う。最近は、ハリルホジッチ監督の目指していたサッカーがみえなくなっていたし、選手たちも理解に苦しんだ部分がある。監督交代の決断は高く評価したい。

 これから就任する西野監督が最も重視することは、グループ力だろう。つなぐサッカーがベースになるはず。残り2カ月と、準備期間は短いが、つなぐサッカーは、今の選手たちには身に染み付いていること。新体制が機能するまで、それほど多くの時間はかからないはず。方向性が一致すると、自然とグループ力は上がる。

 Jリーグ監督時代、西野さんは、G大阪で大きな成功を成し遂げた。逆に神戸、名古屋ではうまくいかず、途中解任。つなぐサッカーで成功も失敗も味わっているので、その経験は大きい。

 W杯で日本が対戦する相手は、特にレベルが高い。日本が終始、やりたいサッカーをやって勝つことは難しい。多くの時間が堅守速攻になるだろう。そこで選手たちをどう我慢させ、自分たちの時間帯をどう増やすか。この手腕が、西野ジャパンの成功のカギとなる。(日刊スポーツ評論家)