サッカーワールドカップロシア大会に出場する日本代表監督を9日に解任された、バヒド・ハリルホジッチ前監督(65)が27日午後、都内で会見を開いた。同氏は、自らが監督だった当時、技術委員長だった西野朗監督(63)との関係を「非常に友好的な関係が保てていると私自身は感じた」と口にはしたものの「確かに彼とのコミュニケーションは少なかったかも知れない」と関係が希薄だったことをにじませた。また「1度、西野さんに『フランスで技術委員長はどういう職務をするのですか?』と聞かれた」とも言い、同氏が技術委員長として未熟だったことを繰り返し指摘した。

 ハリルホジッチ氏は、まず、JFA田嶋幸三会長(60)が9日に開いた解任を発表した会見の中で、技術委員長だった西野氏をはじめとした技術委員会が自身をサポートした旨、説明した件に触れた。「私から申し上げなければならないが、会見で技術委員会が(コミュニケーションなどの問題について)たくさんの修復をしようと試みたと言ったが、その存在すら見えなかったし、どなたも私のところに来たことはない。オフィスに来てあいさつはしたかもしれないが…」と田嶋会長の説明を全面的に否定した。

 その上で、自らを招聘(しょうへい)した霜田正浩現J2レノファ山口FC監督に代わり、16年3月に技術委員長に就任した西野氏について「西野さんは(監督のオフィスに)いらっしゃった…彼は後から(代表に)加わったのだが、技術委員長の役を初めてこなす人だった」と語った。「確かに彼とのコミュニケーションは少なかったかも知れない。あいさつはしたが…全ての話し合い、トレーニングには一緒だった」と、西野氏は自らに近い位置にこそいたものの、技術委員長としては経験不足だと言わんばかりに言った。

 さらに「この選手でいこうかと言ったら…現地のローカルの選手も使ったので、彼の意見も聞いた。あまり多くを語らない人だった」と西野氏とのコミュニケーションは、望んでいたほどは多くなかったと吐露した。「試合の時だったが、GKの第2コーチとともに選手の観察をしてくれと言った。ハーフタイム前に観察から降りてきて情報を言い、ロッカーで話しは出来る。彼は全ての練習に参加し「いやぁ、良かった」といつも言ってくれた」と、評価の言葉こそ言ってくれたものの、空虚なものだったと言わんばかりだった。【村上幸将】