1次リーグA組1位の日本は準々決勝で同B2位オマーンを2-1で退け、来年のU-17ワールドカップ(W杯)出場権を獲得した。日本の同大会出場は2大会連続9度目。

日本は前半14分、荒木遼太郎(16=東福岡)の浮き球を胸トラップでコントロールしたエース西川潤(16=桐光学園)が、右足でシュート。これをGKがはじき、さらに相手DFの足に当たりゴール(記録は西川の得点)。西川は1次リーグ無得点だったが、待望の得点が大一番での貴重な先制点となった。その後、21分に同点に追いつかれ試合は1-1で前半を終了。

勝てば来年のW杯出場、負ければこの年代の代表はいったん解散となる大一番で、最後に決めたのは途中出場のFW唐山翔自(16=G大阪ユース)。後半36分、左サイドを突破した西川のグラウンダーのクロスを、体をわずかに開きながら、右足インサイドでダイレクトシュートを決め、粘るオマーンを突き放した。

試合後の森山佳郎監督(50)は「いやあ、大変でした。本当に大変でした」と、顔をくしゃくしゃにして今にも泣きだしそうな喜怒哀楽を前面に出した表情。「よくここまでやった。1点をやられ、苦しかったが、我慢して我慢して、W杯出場をつかんだ。選手にはおめでとうと言いたい」。一気に話してもまだ興奮冷めやらぬ状況。試合終了直後にスタッフと輪になって祝福しあった情熱の監督は、大役を果たして疲れ切った様子だった。

対照的に1ゴール1アシストで結果を出した西川は時折笑顔を交えた。「W杯出場は、みんなで目指してきたのでうれしいです。今まで役に立つプレーができなかったので、今日は足が裂けるくらいの気持ちで臨みました」と、必死な覚悟だったことを明かした。

しかし、すぐに来年ペルーで開催されるU-17W杯に話題が移ると「このメンバーでの可能性は低い…、というか、まあ、分からないですけど…」と言って苦笑い。改めてU-17W杯メンバーは選考されるだけに、出場権を獲得した喜びと、来年も自分が選ばれるか分からない状況が混ざり、興奮の喜びの中で言葉を失うハプニング。「(W杯に)行けたら、全身全霊で頑張りたいです」と、かろうじてコメントを締め、吹き出しながらインタビュースペースを離れて行った。

日本代表は4日に準決勝を戦う。