日本代表の森保一監督(50)が8日、国際親善試合キリンチャレンジ杯エルサルバドル戦(9日午後7時キックオフ、ひとめぼれスタジアム宮城)に向けた公式会見に出席した。

まず、6年ぶりの宮城での試合について「貴重な代表強化の試合になる。チャレンジしつつ、チームの成長と個の成長ができるように一丸となって戦いたい。勝って、皆さんに笑顔になってもらえるように頑張りたい」と抱負を語った。

11年に起きた東日本大震災にも触れ「日常生活を奪われた方、心に傷を負われた方、今もなお苦しんでいる方々の励ましになるような試合をしたい。復興に向けて尽力している方々にもエールを送れるような試合にしたいと思っています」と神妙に、日の丸を背負ってプレーする責任感を口にした。

先発メンバーについては「大幅になるかどうかは分からないですけど、入れ替えて臨みたい」と5日のトリニダード・トバゴ戦(0-0、豊田ス)からの変更を明言。システムについても、3日前の試合で就任15戦目で初解禁した「3バックでスタートしたいと思います」と堂々、宣言した。

その3バックに関しては「第1戦の内容は昨日、チームミーティングで振り返って、修正できるようにという話をした。私がA代表の監督になってから初めて3バックで戦いましたが、選手たちは準備期間が少ないながらもイメージを共有してくれて、トレーニングでやったことを、お互いコミュニケーションを図りながら、確認しながらやってくれた」と評価した。

結果はシュート25本を放ちながら森保ジャパン初のスコアレスドローに終わったが「勝つことにこだわらないといけないですが、勝てなかった中でも徐々に内容は良くなっていった。選手にはポジティブに伝えています。明日も、より良くなったなと振り返れるような試合をしたい」と上積みに期待した。

9月に始まるW杯カタール大会アジア2次予選に向けても言及。「チームのオプション、引き出しとして感覚的に使えるように覚えてもらえれば」と、ベースの4バックに加えたい構えを示した。3バックの両ストッパーが持ち上がることで攻撃的になる一方、2-0から逆転負けしたW杯ロシア大会ベルギー戦をコーチとして見届けた経験も基に、逃げ切り策としても有効な3バック習得へ意欲。「システムでサッカーするわけではないですけど、4バック、3バックと多少ポジションが違う中、W杯予選、この先のいろいろな戦いの中で臨機応変に、状況に合わせて変化をつけられれば」と、広島時代から愛用する陣形を新たなオプションにしたい思いを、率直に言葉にした。【木下淳】