栄光の時代を知る大先輩2人からの金言だ。女子日本代表なでしこジャパンは14日に、ワールドカップ(W杯)フランス大会1次リーグ第2戦でスコットランドと対戦する。

13日はレンヌ近郊で最終調整した。アーセナル在籍時に、相手のカー監督に指導を受けた元日本代表FW大野忍(35=ノジマステラ神奈川相模原)とDF近賀ゆかり(35=オルカ鴨川)に同監督の戦術や、警戒選手などを聞いた。【取材・構成=松尾幸之介】

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W杯初出場の伏兵スコットランドはどんなチームなのか。初戦でアルゼンチンとまさかのドロー。つまずいたなでしこは、絶対に負けられない。ライバルの特徴を、11年ドイツ大会で世界一になった大先輩2人が語った。

スコットランドを率いるカー監督は英国にある三菱電機の関連工場に長く勤務した経歴の持ち主。日本に縁があり、大野や近賀のこともよく気にかけてくれていたという。大野は「日本のことが好きで、日本人の真面目な部分をすごく褒めてくれた。分析をすごくするタイプ。組織的で日本に近い戦術を持っている人だと思う」。近賀は「熱い監督です」と言った。

2人とも、要注意選手にMFキム・リトル(28=アーセナル)の名を挙げた。代表では中盤を任され、初戦のイングランド戦もフル出場。163センチと小柄だが、米女子リーグ(NWSL)のベストイレブンなどにも選出された経歴の持ち主。14年はNWSLのレインに所属しながら、オフを利用してアーセナルの練習に参加。大野は「めちゃくちゃうまい。W杯にずっと出たがっていたので、やる気十分だと思う」。近賀も「シュートも打ててパスも出せる。ボールを持った時の選択肢とかで、いいものを持っている」と舌を巻く。

大野はスコットランドを「米国に近い感じ。フィジカル重視の中に個人技がうまい選手がいる」と分析。それでも「海外の選手は日本の細かいステップや動きなおしについていけない。マークも見逃しがちなので、少ないチャンスを逃さなかったら勝てると思う」とエール。近賀も「日本の良さはチーム力。若い選手はのびのびやることが一番いいと思うし、みんなの特長が出るような試合になることを願っています」と締めくくった。