サッカー日本代表MF中島翔哉(24)が、カタール1部アルドハイルからポルトガル1部ポルトへ期限付き移籍することが27日、分かった。

既に1年間の契約で個人合意しており、クラブ間の最終調整を待つ状況に。南米選手権ブラジル大会で得点し、22年W杯カタール大会のエース候補が、来季は初の欧州CLに挑戦する可能性が高まった。ポルトガル復帰は半年ぶり。J1のFC東京から移籍した17年8月から19年1月まで所属したポルティモネンセ以来となる。

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中島の欧州再挑戦が秒読み段階に入った。関係者によると、日本の南米選手権1次リーグ敗退から一夜明けた26日に交渉が行われ、個人合意。ポルトとアルドハイルのクラブ間で買い取りオプション、共同保有などの条件面がまとまれば、1年間の期限付き移籍が決定する。

ポルトはリーグ優勝28回を誇り、欧州CLと欧州リーグを2回ずつ制覇したこともある名門。中島が同国1部ポルティモネンセに在籍していた昨年1月にも正式オファーを受けていた。当時は移籍金800万ユーロ(約10億円)で話が舞い込んだが、評価が急騰して折り合いがつかなかった。破談の1年後、アルドハイルへ23年6月までの4年半契約で完全移籍。3500万ユーロ(約43億7500万円)の移籍金は、01年中田英寿の当時32億円(ローマ→パルマ)や15年孫興民(韓国)の41億円(レーバークーゼン→トットナム)を上回るアジア人最高額となった。

その半年後、ポルトガルに戻る。中島は、格が落ちるカタールへの移籍について「自分の意思で決めた。お金や名声、リーグのレベルやチームの知名度は関係ない」と長文ブログで強調していたが、南米選手権でも得点した日本の新10番に対し、ポルトが以前よりも純粋な戦力として認めてくれたことに納得。一時はフランス1部パリサンジェルマンに期限付き移籍する道も模索したが、現実的な欧州復帰に気持ちが傾いた。

近年のポルトは、中島が得意とする「4-4-2」を基本陣形としており、本職の左サイドハーフで不動の存在だったアルジェリア代表MFブラヒミが契約満了で退団するため得点源の1番手として迎えられる。ブラジル代表のフッキやカゼミロ、コロンビア代表のロドリゲスやファルカオら世界の一線級が羽ばたいたクラブから再び挑戦する。

本人も、かねて「楽しむことが一番」としつつ「欧州CLに出るようなチームに行くことも、いちプレーヤーとしては大事」と話していた。来季も9年連続の欧州CL出場が決まっているクラブは申し分なく、ポルトガル時代にアウェー戦で訪れたポルトの街並みやスタジアムの雰囲気、チームのスタイルに好感も持っている。350万ユーロ(4億3750万円)とされる年俸の減額も受け入れる方向で近日中にも発表される。