女子日本代表なでしこジャパン(FIFAランキング10位)は南アフリカ(同49位)に2-0で勝った。

前半20分にDF熊谷紗希主将(29)が、日本代表初得点では歴代最遅記録となる国際Aマッチ110試合目での初ゴール。各カテゴリーの日本代表が11月から使用する新ユニホームのお披露目試合を飾った。11年女子W杯優勝メンバーとして、来年の東京五輪国内聖火リレーの最初のランナーに起用される方向で調整が進んでいるチームの一員だった現主将がついに決めた。

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初めて「日本晴れ」がコンセプトの新ユニホームに身を包み、青空の下で熊谷がおめでたい初ゴールを決めた。前半20分、左CKからのこぼれ球を頭で押し込んだ。国際Aマッチ通算110試合目での初ゴールは日本女子の最遅記録。高校2年だった08年3月の代表初出場から10年以上かかった待望の1発。「そろそろ取りたいなとは思っていました。やっと入って、ほっとしました」と苦笑い交じりに振り返った。

DFでチャンスは少ないが、約10年、なでしこで共闘してきたFW岩渕からは「もうネタだったので。取っちゃったので悔しさ半分、面白さ半分。おめでたいなと思います」とイジられた。高倉監督にも試合前夜に「そろそろ点をとってもいいんじゃない?」と振られていた。要求通りの得点に指揮官も「やっと点をとってくれました。これから彼女自身も点を重ねてくれればいいなと思っています」と喜んだ。

本職の守備でも、要として引き締め、速さや球際の強さなど欧州でもまれたたくましさで、身体能力に優れた相手を完封。それでも「良くないボールの取られ方もあった。修正しないといけない」と主将らしく反省点も口にした。地元開催となる東京五輪まで約8カ月。16強に終わった6月のW杯フランス大会後、初試合となった10月のカナダ戦から2連勝。「新しい目標に向けてスタートして、濃い合宿ができている。来年に向けても、いい準備をしていきたい」。無得点の重圧? からも解放され、東京五輪でのメダル獲得へと突き進む。【松尾幸之介】