【ビシケク(キルギス)11日=浜本卓也】俺の伸びしろも、まだまだ爆弾級だ!

W杯アジア2次予選キルギス戦に向け、日本代表が現地で合宿を開始した。DF長友佑都(33=ガラタサライ)は次戦出場なら代表国際Aマッチ通算出場数が122となり、2位の井原正巳に並ぶ。スペイン初ゴールのU-22代表久保建英(18)を「伸びしろ爆弾」と評する一方、自身の野心と向上心は増すばかり。節目の試合を通過点に、ガンバ大阪MF遠藤保仁が持つ歴代1位の152試合も目標に掲げた。

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長友が見据える高みは、もっと上だった。次戦に出場すれば歴代2位タイの代表キャップ数となる。「『アジアの壁』の井原さんに並べるなんて、こんな光栄なことはないですね」と喜んだが、満足感に浸ることはない。「より向上心というか野心が芽生えてきた」と、ぎらつかせた。

豊富な鍛錬と勝負の積み重ねがあってこそ今がある。「今までの121試合、無駄な経験は1試合もない」。同1位の遠藤に並ぶには31試合必要だが「フィジカルコンディション、モチベーションが続く限り挑戦したい」と目線を上げた。

貪欲さがあるからこそ、日本が初めて立つキルギスのピッチの荒れ具合も苦にしない。雑草が生え、芝がはげている場所も目立つ。それでも「楽しいじゃないですか、逆に。自分が試されるといいますか、やってきたものがどれだけ発揮できるか、そういう難しい環境ほど分かる部分がある」と笑い飛ばした。

刺激となる出来事もあった。小学生時代にトレーニングをし、代表でもかわいがるMF久保がスペイン初ゴール。「すぐに映像を見ましたよ。若ければ若いほど伸びしろ爆弾と言いますか、背負っている爆弾がでかいんですよね、自信というものが爆弾のようにどでかくはじけて、若ければ若いほど上にバンと行っちゃう」とすごさを独特の言い回しで表現。6日の欧州チャンピオンズリーグでハットトリックを決められて0-6と完敗させられたレアル・マドリードの18歳ブラジル人FWロドリゴを例に挙げ「タケフサもまた自信つけたと思うし、このままはじけてトップまで行ってほしい」と、さらなる進化を期待した。

長友も、ここで立ち止まるつもりはない。先月のタジキスタン戦の反省から立ち上がりをポイントに挙げた。「日本は強いんだぞと、これだけ力があるんだぞと、立ち上がりの10分、15分、ここで彼らの心を折るような戦いをしたい」。長友が日本を、自分を、もっと高いステージへと引っ張っていく。