U-23アジア選手権(8日開幕、タイ)に向けて合宿中の同日本代表は6日、バンコク市内で大会公式練習を行った。

前日にバンコク近郊での事前キャンプを打ち上げ、この日から主催側が用意した練習場に移った。日陰でも気温36度を超える暑さで、ピッチ脇に置いた温度計の表示は40度オーバー。これまで連日2部練習を行っていたことや、前日に実施した練習試合での負荷を考慮して、この日は鳥かごなど軽めのメニューで調整した。

森保一監督(51)は「選手も体力的にきついと思うが、ここで強度の高い練習をすることで、試合に向けてコンディションを(整える)ということを理解して、トライしてくれていると思います」と意図を明かした。気温40度といっても湿度は低く、日本の真夏のような息苦しい暑さはない。前日チームに合流したDF町田浩樹(22=鹿島)も「(昨年3月に今大会の予選で遠征した)ミャンマーのほうが暑かった」と、選手たちからは暑さに負けない頼もしい声が聞こえてくる。

既に開催国枠での東京五輪出場権を得ている日本は、純粋にアジアの頂点を目指して戦う。出場各国が3枚の五輪切符を争い、親善試合とは違った緊張感のあるトーナメントに臨むにあたり、指揮官は選手に3つの要求を示した。

<1>メンタル的にもフィジカル的にも、タフに、粘り強く戦う

<2>複数のポジションをこなす柔軟性を見せる

<3>犠牲心を持ってチームのために行動する

東京五輪本戦のメンバーは18人。森保監督は以前から、複数のポジションをこなすことができるポリバレントな選手を求めてきた。一方で、メンバーに選ばれてもなかなか出場機会を得られない選手も出てくる。全員が同じ方向を向くことが、チームの雰囲気をつくる上で重要になる。指揮官は「選手たちにはチームのコンセプトの中で、個々の良さを存分に発揮してもらいたい。五輪に向けてサバイバルだが、より多く同じレベルの選手がいること、『自分の方が上』ぐらいに考えられる選手がより多くなることが、最終的には大切。五輪の先に向けても思いを持ってやってほしい」と話した。