ヴィッセル神戸のGK前川黛也(26)が18日、日本代表にサプライズ選出された。関大から入団5年目の今季は開幕から正守護神の座を獲得。J1通算32試合と経験は少ないが、サンフレッチェ広島や日本代表などで活躍した父和也氏(52)と父子2代で日の丸を背負うことになった。あのドーハの悲劇も体験した和也氏が日刊スポーツの取材に応じ、喜びの思いを語った。

-黛也選手がサプライズの代表入り

和也氏 びっくりしたよ。さっきから携帯電話に、何人もの知人が「おめでとう」のメッセージを入れてくれて、何かと思えば日本代表入り。すごいと思うけど、つい最近、試合に出始めたばかり。代表に入るなんて全然思ってないから。

-昨年11~12月のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で神戸の初出場ベスト4に貢献した。最後の準決勝では黛也選手がPKを与え、結果的に敗退した。試合後は黛也選手は泣いていた。あれが転機になったのでは。

和也氏 本人とすれば自分のプレーで負け試合になって責任を感じたんでしょう。(泣いている姿を見て)心が痛くないことはなかったよ。でも親は親、子どもは子どもだから。

-父から黛也選手に引き継がれたものはあるか

和也氏 1対1の対人プレーで怖がらないのはよく似ている。オレもよく顔面を蹴られることが多かったし、そのへんは見ていて感じるかな。

-日本代表森保監督は、和也さんが現役時代に同じ広島でプレーした仲間。その人から自分の子どもが日本代表に選ばれた。非常に人の縁を感じる

和也氏 そう、縁は感じますね。黛也が関大時代、横浜Fマリノスの練習に参加した時があって、その時は松永成立さん(元日本代表GK)に指導をしてもらった。いろんな人に巡り合い、今があります。

-日本代表デビューに向けて期待することは

和也氏 それが本人には重みになるので、過度には期待はしませんよ。いい準備をして、コンディションを整えてくれればいい。親としてはそう思うだけですよ。

◆前川和也(まえかわ・かずや)1968年3月22日、長崎・平戸市生まれ。平戸高からJリーグ広島の前身マツダに入り、J元年の93年から正守護神で活躍。00年大分に移籍し、01年現役引退。日本代表として92年アジア杯初優勝に貢献、93年W杯アジア最終予選のドーハの悲劇も体験。J1通算128試合、国際Aマッチ17試合。189センチ、98キロ。現在は広島県に拠点を置くサッカークラブのFCバイエルンツネイシ総監督兼U-18監督。

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