日本協会は19日、東京オリンピック(五輪)世代のU-24日本代表の国際親善試合2連戦で、アルゼンチンと対戦する日本代表を発表した。チームは昨年1月のU-23アジア選手権以来の実戦で、東京五輪へ再スタートを切る。

    ◇    ◇    ◇  

東京五輪へ、U-24日本代表が1年2カ月ぶりに再始動する。昨年1月以来となる実戦の相手は、南米予選を首位で突破した強豪アルゼンチン。オーバーエージ(OA)1人含む、本大会さながらのメンバーがそろう。コロナ禍などの影響で長いブランクがあった中、なぜこの時期に南米の強豪との試合が実現したのか。その動きを探った。

昨年1月から活動はなかったが、合宿や試合のチャンスは5度あった。昨年3、6、12月はコロナ禍で流れた。A代表が欧州遠征した同10、11月に試合を組むことは可能だったが、回避した。最後の実戦は昨年1月のU-23アジア選手権。1分け2敗で悪夢の1次リーグ敗退。悪い流れをいち早く断ちきりたかったはずだが、日本協会は動かなかった。

10、11月をどうするべきか。森保監督-横内コーチらは連日、シミュレーションした。Jリーグからは「シーズン終盤で、リーグ戦を優先させるため招集は見送ってほしい」との要望も届く。選択肢は3つ。<1>国内合宿&試合<2>欧州合宿&試合<3>何にもしない。結局、森保監督は招集見送り=<3>を決断した。

海外組のみのA代表の強化に専念。一方でJリーグとの交渉で「東京五輪前に17日間の合宿期間を確保する」と認めさせた。その期間に、ACLとの兼ね合いでリーグ戦が2試合あるクラブもあったが、7月5日からの早期招集が可能になった。

同時に、昨秋から今月下旬の対戦相手を探していた。コロナ禍でほとんどの国が活動停止が続いた。他国にとっても、本番4カ月前に五輪開催国で予行演習ができることは大きなメリット。多くの強豪国からの打診から、選んだのがアルゼンチンだった。これまで親善試合の相手の中には、来日した選手が試合前日に秋葉原や銀座で目撃されるケースもあったが、アルゼンチンは違うという。日本協会幹部は「トップ選手が来日して全力で戦ってくれる。過去にも、A代表でメッシやバティストゥータらが来ている」と話す。そんな信頼感も今回のマッチメークにつながった。

本気モードの優勝候補との2試合。試行錯誤を続けた森保ジャパンは本番4カ月前に浮上のきっかけをつかめるか。本大会への生き残りへ、サバイバルを制する選手は出現するのか。久々実戦には、楽しみがいくつもある。【盧載鎭】