心強いパワースポットにあやかる。日本サッカー協会(JFA)は30日、来年1~3月のワールドカップ(W杯)カタール大会アジア最終予選のホーム3試合を、埼玉スタジアムを使用することで、大野元裕埼玉県知事(57)から協力する旨の返答を受けたと発表した。

対象は来年1月27日中国戦、同2月1日サウジアラビア戦、同3月29日ベトナム戦。今後はアジアサッカー連盟(AFC)の承認を経て正式決定となるが、大筋のめどは立った。W杯予選21勝3分け1敗という驚異の白星率8割4分を誇る“聖地”で歓喜を積み上げる。

願いが通じた。当初は、今年12月から同スタジアムで芝生の張り替え工事を予定。来年4月まで使用困難の見通しで、W杯予選は使用不可と言われていた。だが、かねて同スタジアムでの開催を熱望していたJFA田嶋会長が、思いをぶつけた。27日に、埼玉県庁を訪問。大野知事に要望書を提出した。協議の末、工事開始は1年先延ばしとなった。J1浦和にとっても一安心。来季の開幕は来年2月の第3週。本拠地で、スタートダッシュを切る。

「埼スタ」には、日本代表を後押しする何かがある。ドラゴン久保(FW久保竜彦)は、04年オマーン戦、大黒様(FW大黒将志)は05年北朝鮮戦で、こぼれ球を押し込んだ。現主将のDF吉田は、11年の北朝鮮戦でヘディング弾。13年にはMF本田圭佑が、オーストラリア戦でPKを成功。16年イラク戦では、山口蛍が右ボレーで誕生日ゴール。全てW杯予選の後半ロスタイムでの得点。全て「埼スタの北側」で誕生した。

日本代表は4試合を終え、2勝2敗のB組4位。得点数は、同組最下位となる「3」。地の利を生かす。埼玉スタジアムで、「埼スタの北側」で、ドラマチックなゴールから、勝利を生み出す。【栗田尚樹】