日本サッカー協会(JFA)の女子委員長に就任した、元なでしこジャパン監督の佐々木則夫氏(63)が10日、オンラインで就任会見を行った。

総監督を務めていた女子プロ「WEリーグ」の大宮アルディージャベントスとの契約終了を待って、12月5日から現職に就任した。これまでも女子委員会のメンバーとして女子サッカーの発展、強化に努めてきたが、11年女子W杯で「なでしこジャパン」を世界一に導いた手腕を、今度は委員長の立場から発揮する。

佐々木氏は「タイミング的には急務だと感じている。私も微力ながら池田(新監督の)体制をしっかりと支えていこうという決意でお受けした」と話し、「(来年1月の女子W杯)予選はすぐに始まる。2年後のW杯、3年後のパリ五輪でタイトルを取るという目標を大きく掲げて進みたい」と所信を表明した。

女子委員長の仕事は多岐にわたるが、佐々木氏はこれを <1>育成年代のリーグ整備や普及活動、女性指導者や審判員養成に関する事業、<2>育成年代の強化、<3>なでしこジャパン(A代表)の強化、の3つに分ける「トライアングル体制」の案を提出しているという。<1>については、前女子委員長の今井純子氏に託したい意向。<2>は未定で、<3>は佐々木氏自ら中心となって行うつもりだ。

11月には池田ジャパンが初陣を含む2試合を戦ったが、監督の狙いをすぐにピッチで表現できた新チームを見て、佐々木氏は可能性を感じたという。「(FIFAランキングは)13位だけど、少し下がっちゃったな、くらいにしか感じていない。今ベスト15位以内にいるチームはどこが優勝するか、全体的にレベルが上がってきている。コンビネーションと技術を強さに変えていければ、我々も優勝できる。実際になでしこはそんなに弱くない、結果を出せないチームではないと信じている」と、力強く発信した。