サッカーファンに朗報だ。NHK、フジテレビ、テレビ朝日は8日、22年W杯カタール大会(11月21日開幕)の放送権を獲得したと発表した。全64試合中、NHKは開幕戦、決勝戦を含む21試合を地上波、BSなどで放送。フジとテレ朝は各10試合を地上波で生放送する。アジア最終予選のアウェー戦は、有料動画配信サービス「DAZN」のみの放送だった。本大会では日本代表が出場権を獲得すれば、日本戦が地上波で放送されることが確実となった。

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W杯本大会では、地上波で日本代表の勇姿をみることができそうだ。関係者によると、日本戦の放送は確実で、もちろん出場権獲得が大前提となる。

現在行われているW杯アジア最終予選は、資金力があるDAZNが全放映権を獲得。ホームの4試合こそばら売り契約で地上波放送が実現した。しかし、勝てば日本のW杯出場が決まる24日のアウェーのオーストラリア戦は、地上波なし。日本サッカー協会が再度実現の可能性を探ったが、DAZNは「ご提案内容が(中略)フェアなものではなく、両者の共通認識として交渉はすでに終了している」と声明を出し、完全否定した。

W杯の放送権は、NHKと民放でつくる「ジャパンコンソーシアム」が02年の日韓大会以来、一括して獲得してきた。しかし、近年は放送権料が高騰し、10年の南アフリカ大会で民放全体の収支が初めて赤字になった。カタール大会は、インターネットTV「ABEMA」がネット配信も含む放映権を獲得。全64試合のうち、41試合の放送権をNHK、フジ、テレ朝が取得して地上波で放送する。NHKは地上波の試合について、インターネット上の配信サービス「NHKプラス」でも同時配信する。

これまでは日本代表の初戦はNHKが放送してきた。今回は4月1日に行われる組み合わせ抽選会の結果を受けて3局の放送の割り振りが決定する。日本とカタールの時差は6時間で、組み合わせ次第では日本時間の深夜帯に試合が組み込まれる可能性もある。ただ、初出場の98年フランス大会から続く日本戦の地上波放送は死守されそうだ。【岡崎悠利】