DF吉田麻也主将(33=サンプドリア)がチュニジア戦で変わらない安定感を見せ、新シーズンへ弾みをつける。自身の去就については不透明。セリエAのサンプドリアとは契約満了も「クラブからは待ってくれと言われている」と残留の可能性も残す。日本代表の不動の主将でもあり、W杯を前にして次にどこでプレーするか、慎重に決める方針だ。

W杯前に、どこでプレーするかは、本人にとっても、チームにとっても大事になる。「試合に出ないといけない」と、W杯を見据えたクラブ選びが第一。一方で「(レベルを)落とすのは簡単だけど、選手として高いレベルに身を置きたいのはシンプルな願い」と、相反する考え方の間で揺れている。

W杯は中3日での短期決戦。体力的にも負担がかかる。「ロシア大会では3試合を終えたときに5試合くらいこなした気分になった」と、W杯独特の重圧があることも分かっている。サンプドリアでは負傷もあり、満足に出場機会を得られない時期も続いた。W杯に向けても常時出場はしたいところだ。

昨夏の東京五輪で中2日で全6試合の過密日程を戦った。「五輪で最も出場していた選手は誰ですかと。年齢を重ねているのは間違いない。でもなめてもらっちゃ困る」。体力面で自信を持つ33歳が、最適なプレーの場を見つけて、W杯に向けコンディションを保てるかは、日本代表にとっても浮沈のカギを握る。欧州シーズン前の数少ない実戦の場を無駄にしない。【岡崎悠利】