「発言者・三笘」が、結果で黙らせた。1-0の後半23分から途中出場の日本代表MF三笘薫(25=ブライトン)が、同43分にダメ押しの得点を決めた。ペナルティーエリア左の「三笘ゾーン」から、ゴール右へ決めてみせた。「その前にチャンスが2、3個あって、ミスを取り返せたことは良かったけど、本番ではああいうところを決めきれないと、最後のチャンスもなくなってくる」と自分に厳しかった。

チームにも高いレベルを求めてきた。6月のキリン杯決勝・チュニジア戦。0-3と惨敗後、三笘はオンライン会見の場で「狙いの細かさが全然足りていない」「フィールド内での対応力に頼ってしまっている」と課題を指摘。チーム批判とも捉えられたが、三笘は堂々としていた。「言葉だけで出てしまうので。批判的に見られたり、そういうところもあると思うんですけど。感じたところは言っていかないといけないですし、全然問題ないと思いますし。自分たちも客観的に見えていない部分もあるので、そういったところの声はしっかり聞くべきだと思います」。黙ってはいられなかった。

海を渡ったことで、より、世界を意識するようになった。今夏復帰したプレミアリーグのブライトンでは、4試合出場。出場時間は全て30分以下、無得点と苦しい時間を過ごすが「試合は出れていないですけど、練習から高いレベルでやることで、ここに還元できることはたくさんある」と常に日の丸を意識してきたからこそだった。

全てはW杯で勝つため。「あの試合(チュニジア戦)もそうですし、今後自分たちもW杯で勝ちたい気持ちはどんどん強くなっているので、そういう言葉になったというのはありますね」。普段は寡黙な男だからこそ、発する言葉に意味がある。「どの相手でも、こいつは通用すると思われるようなプレーをしたい」。言葉と数字を連結させる。【栗田尚樹】