サッカー元日本代表FW前田遼一氏(41)が森保ジャパンにコーチとして入閣することが9日、決定的となった。

昨年末に森保一監督(54)の4年間の続投が決まった。ただ、16強入りした昨年のFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会でも主に攻撃を担当していた横内昭展コーチが、J2ジュビロ磐田の監督に就任し代表チームを離れた。森保監督の右腕的存在でもあった横内氏の後を継ぐことになるスタッフの人選が注目される中、前田氏が新たにチームに加わることになる。

現役時代は07年から13年にかけ日本代表でプレーしたストライカー。確かなポストプレーなどで、最前線で攻撃の基準点として、存在感を示し続けた。国際Aマッチ33試合10得点。Jリーグでも09年シーズンから2年連続でJ1得点王に輝くなど実績は十分だ。

J3岐阜でプレーしていた20年シーズン限りで現役を引退。昨季は古巣の磐田ユースで監督を務めた。

森保監督はコーチ人事について、昨年末、続投が決まった際の会見で「ボールを握り(=保持し)ながらチャンスを作るところにたけている、元選手のコーチを招へいできれば」と語っていた。条件にかなう前線でのプレー経験が十分の人材の登用となる。

カタール大会では16強入りするなど、躍進した日本代表。ただ、ストライカー不足、得点力不足、決定力不足の課題を、慢性的に抱えている。打診の段階から入閣に前向きな姿勢を見せていたという前田氏の手腕に、期待がかかる。

日本代表は国際親善試合2試合を含む3月の活動で、再スタートする。

◆前田遼一(まえだ・りょういち)1981年(昭56)10月9日生まれ、兵庫県出身。東京・暁星高から00年に磐田入り。09、10年にJ1得点王。15年から東京、19年からJ2、J3岐阜でプレー。21年1月に引退し、古巣・磐田のU-18監督に就任。日本代表でも活躍。ザッケローニ監督が率いた11年1月のアジア杯では全6試合に先発し、日本の2大会ぶり優勝に大きく貢献した。国際Aマッチ通算33試合10得点。現役時代は183センチ、78キロ。