ベルギー1部でゴールを量産するFW上田綺世(24=セルクル・ブリュージュ)が、新生・森保ジャパンのエースへ足固めに入る。

19日に帰国した上田はリーグ4位タイ(18日終了時点)の14得点。周囲との連係を磨き自らの立ち位置を確立したからこその成果だが、これを日本代表でも実践していく。チームはウルグアイ戦(24日、国立)、コロンビア戦(28日、ヨドコウ)に向け、今日20日に千葉市内で練習を開始する。

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成田空港に到着した上田は、長旅の疲れも見せず笑顔でファンに対応した。差し出されたユニホームや写真に丁寧にサインを書き込んだ。スタッフから20日の練習に参加できるのか聞かれると「はい、いけます」と力強く答えた。

森保ジャパンでも天性の点取り屋へかかる期待は大きいが、ベルギーではいち早くその得点能力が開花中だ。17日のゲンク戦でもDF裏に抜けながらスルーパスを受け、素早く右足を振る得意の形でゴール。リーグ戦ここ9試合で7得点と量産態勢に入っており、20点の大台、そして得点王も見えてきそうな勢いだ。

クラブでの好調の理由を問われると、チーム内での立ち位置が確立されて「チームになじんできたのが大きい」と説明する。それは代表でも同じ。新チーム立ち上げメンバーに選ばれたことは「とても意味のあることだと思う」とうなずき、「(周囲との)違いを知りたい」と意気込んだ。

「違いを知る」とは周囲の特徴をつかむこと。クラブ同様、周囲が理解できれば点も増える。それゆえに、立ち上げから参加できることは大きな意味を持つ。

ベルギーでのゴール量産について、自らの見解は少し異なる。「見た目にはすごく点を取っているように見えるかもしれないですけど、自分にもっと求めていい部分があったんじゃないかな」と口にした。

得意なセンターFWでのプレーとそうでない時のプレー。複数ポジションをこなす中で感じる自分だけの課題がある。エース候補はどこまでも貪欲に高みを目指している。【千葉修宏】