日本代表が18日、W杯アジア2次予選の北朝鮮戦(21日=国立、26日=平壌)に向けて千葉市内で始動した。国内組と早めに帰国した海外組を中心に、約45分間の軽快メニューを実施。22年W杯カタール大会以来1年3カ月ぶりに復帰したDF長友佑都(37=東京)は、さっそくムードメーカーとなった。鬼門のアウェー戦も待つ2連戦を勝つためには、雰囲気が重要と強調。盛り上げ隊長が、年始のアジア杯で8強止まりだったチームに活を入れる。

風速8メートルの強風を吹き飛ばす明るさが、日の丸のピッチに戻ってきた。1年3カ月ぶりに代表エンブレムを胸に輝かせた長友は、先頭を走り、ボール回しで盛り上げる声を出し続けた。練習後も報道陣を笑いの渦に巻き込む存在感だった。

「朝も4時か5時に目が覚めて、もう細胞たちがうずき始めていて。『いったん落ち着け』と細胞たちに言ったんですけどね、それくらい楽しくて仕方ない」

1年のブランクも「そんなもの全くない」と笑い飛ばし「新しい選手たちが僕の熱にちょっと引いている感じ、距離を取られる感じは最初あった」と今度は苦笑い。初練習を終え「心が近づいた」とまた笑った。

優勝候補筆頭だったアジア杯で過去最低タイ8強。遠く日本から敗退を見ていて感じたという。「覇気がない」。直後の活動で舞い戻り「苦しい時こそ、盛り上げるメンタルの強さが必要。元気なやつが1人いたら伝染していく」。ピッチ内外の役割を知っている。

日本人初、世界でも歴代最多に並ぶ5大会連続W杯出場を視野に入れる…どころか、直視して目を離さない。「5回目、もう僕は行くので。自分の中で決めていて、逆算して、今いろいろなものに取り組んでいる」と断言。年齢など単なる数字。最年長の37歳も「気持ちは誰より若い」と本気で、かわいがる15歳下のMF久保の巧みな足元にも懸命に足を伸ばした。「エネルギーがあり余っている。年を取ってよりいっそう強くなってきている」。進化が止まらない元気印が代表に帰ってきた。【佐藤成】