日本サッカー協会(JFA)は22日、W杯アジア2次予選北朝鮮戦の2戦目(26日)を待っていた日本代表が、チームを解散すると発表した。

既に敵地の平壌開催は消滅していたが、試合まで中止に。延期や没収試合など今後の取り扱いは国際サッカー連盟(FIFA)に委ねられる。没収の裁定が下った場合は、規約で3-0の不戦勝となって4連勝。戦わずして今年9月開幕の最終予選進出が決定する異例の事態となる。

平壌開催が11日に発表されたが、北朝鮮側が日本で流行する「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」を致死率30%超の「悪性伝染病」と警戒していた。

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「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」とは、国立感染症研究所のHPによると、突発的に発症し急速に多臓器不全に進行する敗血症性ショック病態のことを指す。メデイアなどで「人食いバクテリア」といった病名で、センセーショナルな取り上げ方をされることがある。初期症状としては、四肢の痛み、発熱、血圧低下などで、発病から病状の進行が非常に急激かつ劇的で、発病後数十時間以内には軟部組織壊死(えし)、急性腎不全、多臓器不全を引き起こし、ショック状態から死に至ることもあるという。

87年に米国で最初に報告され、その後、ヨーロッパやアジアからも報告されている。

日本における最初の典型的な症例は92年に報告されており、毎年100~200人の患者が確認されてきたという。国立感染症研究所によると、全国で報告された患者は昨年941人に上り、記録のある99年以降で過去最多となった。今年に入っても患者数は増えており、過去最多を記録した昨年を上回るペースで広がっているという。