サッカー男子は、大岩剛監督(51)率いるU-23日本代表が、パリ五輪アジア最終予選を兼ねて15日開幕したU-23アジア杯カタール大会で切符獲得を狙う。

1次リーグは第2戦UAE戦(19日)と第3戦の韓国戦(22日)が控え、各組上位2チームが決勝トーナメント(T)に進出。3位まで出場権が与えられる。4位はアフリカ4位ギニアとの大陸間プレーオフ(5月9日、パリ近郊)へ。選手選考などの苦難を乗り越えて8大会連続を目指す。女子日本代表なでしこジャパンは獲得済み。MF藤野あおば(20=日テレ東京V)が「二刀流」を掲げている。

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かつてない逆風の中、男子は五輪切符ゲットへ突き進む。今大会は、選手招集の拘束力がない国際Aマッチデー(IMD)外に行われており、海外組の主力選出を見送らざるを得なかった。昨年11月のアルゼンチン戦で10番を背負い2得点したMF鈴木唯人(22=ブレンビー)や、昨季Jリーグベストヤングプレーヤー賞の三戸舜介(21)に、この世代を10代から引っ張った斉藤光毅(22=ともにスパルタ)が不在となった。

若くして海を渡る有望株が増え、海外組は史上最多となった。開催国枠で予選免除だった21年東京五輪を除き、最後に自力で切符を勝ち取った8年前のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選は海外組が2人だけ。かつ、両者の招集に成功していただけに、当時とは比較にならないほど厳しい選手選考事情となっている。

それでも、五輪出場は逃せない。2年後の26年W杯北中米大会で優勝を目標に掲げる森保ジャパンへ、大岩組からの突き上げは不可欠。A代表に定着しているのはMF久保建英(22=Rソシエダード)とGK鈴木彩艶(21=シントトロイデン)だけでなく、新型コロナ禍で21年U-20W杯が開催されず、国際経験が乏しい世代でもある。アンダーカテゴリー最後の真剣勝負をパリまで持ち越したい。

本大会で狙うは68年メキシコ五輪の銅以来56年ぶりメダルだ。12年ロンドンと前回東京の両大会は4位。壁の向こうへ、大岩監督は金メダルを目標に定めた。A代表が1~2月のアジア杯カタール大会で、優勝候補筆頭と目されながら歴代最低8強で散ったように、広い大陸に難敵が潜む最終予選も簡単ではないが、指揮官は「タフな戦いをしっかり戦い抜く気持ちでいる」と気を引き締める。困難を乗り越えた先に、花の都が待っている。【佐藤成】