U-17(17歳以下)ワールドカップ(W杯)の1次リーグD組を首位で突破した日本の、反則の少ない紳士的なプレーが注目されている。

 クリーンなプレーをしようという心掛けを、3試合とも60%を超えるボール保持率が支える。3試合で反則数は8、6、5と減少し、警告を一度も受けなかった。「1試合8以下、というか0を目指したい」と語る吉武監督には、育成年代の選手にけがをさせたくないという思いもある。同監督が指揮を執った前回2011年大会ではフェアプレー賞に輝いた。

 ボールを保持し続ける戦術が背景にある。指揮官は「球を長く持てばファウルをする場面もなくなる」と指摘し、体格で海外勢に劣るチームは「相手にぶつからない」をモットーにパスを回す。

 守備ラインを基本的にハーフライン付近で高く保ち、敵陣で長く攻めれば守備の時間は減る。吉武監督は「絶対にコンパクトにやる」とこだわる。ロングボールでの速攻を受けるリスクもあるが、DFの中心選手、宮原(広島ユース)は「予測をしっかりすれば抑えられる」と主張した。

 勝負の行方を左右すると判断した場合、反則を取られてもやむを得ないと覚悟を決めて臨むプレーがある。今大会の日本はここまで、それを必要としていない。