<国際親善試合・キリン杯:日本4-0ベルギー>◇5月31日◇国立

 DF長友佑都(22=東京)がゴールラッシュの口火を切った。前半21分、一気に左サイドを駆け上がって中村憲のパスを受け、冷静に相手GKの動きを確認した。「クロスを上げようと思ったけど、GKの重心が(クロス予測で)動くのを見て」(長友)角度のない位置から左足を振り抜いた。後半32分には左足クロスで4点目をアシスト。「(中村)俊さんに『(シュートを)狙ってねえだろ』と言われたんで『狙ってます』と言いましたよ」。師匠に堂々と言い返すほど納得のプレーだった。

 初期症状の虫垂炎のために代表を一時離脱し、チリ戦のあった5月27日に緊急帰京した。周囲を心配させないように明るく振る舞ったが、自宅に戻ると「オレ、何でここにいるんだろ」と悔しさが込み上げた。東京関係者によれば、毎食後に4種類の薬をのんで痛みを散らし、間に合わせた。試合後、長友は「気持ちっすね。やっていく中で(虫垂炎の)不安を消さないといけない」。

 今季、所属先でも決めていなかったゴールを代表で決めて気分も乗った。「今後も油断せずにやります。もっと気迫を持って。限界はない」。W杯切符を手にするまで、長友は気持ちの強さで戦っていく。