【ブリスベーン(オーストラリア)11日】日本が、レギュラー・センターバック2人を同時に欠く可能性が出てきた。DF今野泰幸(29=G大阪)が風邪で、試合前日練習を休んだ。W杯ブラジル大会アジア最終予選第3戦のオーストラリア戦出場は微妙で、当日の体調をみてアルベルト・ザッケローニ監督(59)が決断する。DF吉田麻也(23=VVV)が8日のヨルダン戦で右膝を負傷して今遠征に同行できず、2試合連続完封勝ちの堅守日本に黄信号がともった。

 決戦のピッチに、守備の要がいない。日本代表は、オーストラリア戦が行われるブリスベーン・スタジアムで公式練習を行ったが、今野の姿はなかった。チームスタッフは「今野は風邪で練習を休みました。今朝微熱があって、食事も他の選手とはタイミングをずらして、別で取っています」と説明した。

 負傷欠場が決まった吉田に続き、ザック体制の最終ラインを任された今野もリタイアした。ザッケローニ監督は「今日は戦術より、コンディション調整のトレーニングだったので、いなくても大きなダメージはない。明日は今野がいることを前提に考えていますが、仮にいなくても、他にもセンターバックはいますから」と冷静に説明した。

 この日のピッチは、2日前にラグビーの試合が行われ、土がむき出しになっているところが何カ所もあった。ピッチ全体が平らではなく、芝生の長さも日本に比べると若干長め。日本では考えられないグラウンドコンディションだ。

 今野が欠場すれば大きなマイナスだが、仮に出場できても不安材料はある。関係者によると、今野の強行出場の可能性はあるが、このピッチを公式練習で経験できなかったのは痛い。特にミスが許されないセンターバックは、1つの判断ミスやプレーの失敗が失点に直結するからだ。

 最終予選は2試合連続の完封勝利で最高のスタートを切った。しかし、初のアウェーとなる3戦目で、大きな不安を抱えることになった。【盧載鎭】