J2ベガルタ仙台がJ2モンテディオ山形との“みちのくダービー″を2-0で制した。

前半10分にMF相良竜之介(21)が今季4得点目となる先制ゴール。試合の主導権を握ると、同38分には、DF菅田真啓(26)のヘディングシュートが貴重な追加点をもたらした。守備でも無失点で4試合ぶりのクリーンシートとし、ライバルチームを封じた。リーグ戦42戦の通算成績は、仙台が19勝8敗15分けとした。

絶対に負けられない一戦の火付け役となったのは、この男だった。前半10分。ドリブルで侵入する相良に相手選手が間合いを詰める。だが中央へと切れ込んでマークを外すと、ペナルティーエリア外から強烈なシュート。右足を振り抜きネットを揺らした。今季最多となる1万7938人の観客の視線を一身に浴びた。

「個人としても悔しい結果だったので、特別な思いで臨んだ」。昨季の7月1日の“みちのくダービー”2戦目(NDスタ)はメンバーにも入れず、チームも1-4の大敗。期するものを胸に秘め、自らのゴールで勝利へと導いた。

ここまで、9試合(先発7試合)に出場し、4得点2アシストの活躍。今季から山形に移籍したMF気田亮真(26)と、熾烈なポジション争いをしていた昨季の3得点を早くも上回った。「1点目を決めてから自信が生まれ、それが余裕につながり、相手を冷静に見られるようになった」と好調の要因を挙げた。

指揮官も成長を感じている。森山佳郎監督(56)は世代別の日本代表監督として19年U-17代表の相良を見ていた。「(当時から)仕掛けが得意な印象だった。気田くんが移籍してからはチャンスをつかみ、大きな成長を遂げ、決定力も生まれた」と称賛した。

次節は20日、アウェーで首位清水と対戦する。開幕から10節を終えたここまで、4勝1敗5分けで勝ち点「17」を積み上げた。ダービーでの勝利をエネルギーに、「J2優勝」へとひた走る。【木村有優】