主将の気遣いは温かかった。日本代表MF長谷部誠(29=ウォルフスブルク)は、今回の中東遠征メンバー発表(14日)前に、けがなどを抱えていたFW本田やDF長友に、電話連絡したことを明かした。「発表前に電話はした。予選を戦っていく大事なときに、いないのは悔しいだろうし、その気持ちを背負って戦いたい」と、不在の主力2人の分まで戦い抜くことを誓った。

 敵地での難しさを、体で思い知っている。4年前にW杯出場を決めたウズベキスタン戦では、後半44分にまさかの退場処分。相手の突破をひじ打ちのような形で止め、主審から1発レッドカードを突きつけられた。怒りの表情でピッチを去った苦い思い出を「人生で3本の指に入る厳しい審判だった」と振り返った。だからこそ「ゴール前でのちょっとしたファウルもとってくると思う。そのあたりを若い選手に伝えたい」と、アウェーでの判定を警戒した。

 39度の高熱を出してから、コンディションも回復してきた。「頭にはイメージがある。あとはフィーリングを合わせていくだけ。問題はない」と、決戦に合わせて調整していく。