3連敗中だったヴィッセル神戸がポルディ効果で4試合ぶりの勝利を飾った。新加入の元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキ(32)が初観戦したホーム・ベガルタ仙台戦は、FW渡辺らの得点で3-0の快勝。大物助っ人の移籍で刺激を受けた攻撃陣が奮起した。愛称ポルディことポドルスキは次節29日のホーム大宮アルディージャ戦でデビュー予定。元日本代表FWハーフナーも加えた神戸が台風の目になる。

 3戦連続無得点だった神戸が攻撃陣の奮起で3ゴールを挙げ、4戦ぶりの勝利を飾った。前半29分に先制。わずか2分後には主将のFW渡辺が、ポストに当たったシュートの跳ね返りを落ち着いて右足で決めた。3月18日磐田戦以来のホーム白星。連敗を3で止め、渡辺は「みんなでホームで意地を見せようと話していた」と胸をなで下ろした。

 勝利の立役者は、FWポドルスキだったのかもしれない。3度もW杯に出場した英雄は6日に来日。この日の試合前には初めて本拠地ノエスタのピッチに立った。背番号10のユニホーム姿で「こんにちは。ルーカス・ポドルスキです。ありがとう、よろしく」と日本語であいさつ。ハーフタイムにはNHKのテレビ中継に急きょ、ゲスト解説として出演した。

 契約は2年半で推定年俸はJリーグ最高の6億円という究極の助っ人。その鋭い視線をスタンドから浴びた同僚らが奮起しないわけにはいかなかった。今季4点目の渡辺は「まず自分の力を出すことを考える」と最高の刺激を受けた。先制点のMF三原も「これをどうつなげていけるかだと思う」と必死だ。助っ人の加入でベンチ入り枠も確実に減るため、厳しい内部競争が始まる。

 開幕4連勝で一時は首位争いしていた神戸は、これで9位に浮上した。ポドルスキは「自分が(チームを)助ける部分はあると思う」とキッパリ。この日はオランダから新加入のFWハーフナーの入団会見も行われ、30歳のベテランも「これから連係を取っていきたい」と決意した。2人のデビュー戦は次節29日のホーム大宮戦の予定。初タイトルを目指す神戸が、豪華布陣で巻き返しを図る。【小杉舞】

 ◆神戸のFW事情 基本は4-4-2。2トップは渡辺が主軸で、相棒は田中順や大槻が務める。次節からはポドルスキとハーフナーが最前線に入ると予想される。FWには負傷による長期離脱中の昨年の得点王レアンドロもいる。2人の加入で渡辺や田中順は1列下がることが予想され、2列目が小川やユース出身1年目中坂、負傷離脱中の大森らと激しい争いとなる。

 ◆ルーカス・ポドルスキ 1985年6月4日、ポーランド生まれで2歳でドイツ移住。Bミュンヘン、アーセナルなどを経てトルコ1部ガラタサライに。神戸とは19年までの2年半契約。ドイツ代表としてW杯3度出場で計5得点。左足のシュートが武器で代表通算130試合49得点。182センチ、83キロ。