ベガルタ仙台は13日、4日間のオフ明け後、初の全体練習を開始した。3連敗でリーグ13位に落ち込んだが、渡辺晋監督(43)は「いい雰囲気でやれたと思います。(30日)柏戦に向けて落とし込んでいきたい」と、約3週間のリーグ中断期間での立て直しを誓った。

 完封負けした8日の神戸戦後、「共通認識を高めていきたい」と言う指揮官は、この日のミーティングで「何かを大きく変えるつもりはないが、意識は変えていく」と説いた。「ゲームの運び方」を統一させたい。例えばロングボールで押し切るのか、つないでいくのか。そこで、22日の神戸とのプレシーズンマッチは事前分析せず、選手に戦い方を委ねる方針だ。「意思疎通を高めるにはいい機会」とうなずいた。

 強豪相手にカウンターで失点を重ねる現状も変えなければならない。6月25日のC大阪戦はカウンターから3失点。簡単なパスミスからカウンターを受ける場面が目立つ。13日は湿度約70%と蒸し暑い中、8分×3セットのランメニューの直後に、リフティングとパスの練習を行った。「走った後に正確にやれないと、ゲームで苦労する。疲れている状況で練習することで、カウンターをなくしたい」と改善に意気込んだ。

 先制された試合は12戦で8敗している。1日のG大阪戦前、「先手を取ればカウンターを受けるリスクは減る」と語っていた。3連敗はすべて先制を許しているが、神戸戦について「(失点前までの前半)29分間、数字的には握れていた」と力説。試合の入りは悪くない認識で、ボールを握れている自信は、選手にも指揮官にも芽生えている。「手探りの中で、共通理解を全員で持ってゲームを進める」と誓った。【秋吉裕介】