サンフレッチェ広島は、勝てば降格圏脱出の一戦で引き分け、足踏みをした。

 試合前の勝ち点は19で17位。残留圏内の15位ヴァンフォーレ甲府の勝ち点は21。甲府が清水エスパルスに敗れ、16位大宮アルディージャ(勝ち点20)も鹿島アントラーズに敗れたため、得失点差で大宮を抜き16位に浮上した。ただ、勝ち点3を積み上げていれば15位だった。

 ヤン・ヨンセン監督(57)は「ホームの新潟が終盤に押し込んでくるのは分かっていた。よく持ちこたえた。アウェーで勝ち点1は良かった」。後半42分に新潟のFWドウグラス・タンキ(23)のシュートのこぼれ球が無人のゴールに転がったところを、GK中林洋次(31)が懸命にセーブするなど、猛攻に絶えた。

 一方で、決定的なチャンスをものにできなかった。前半17分にはコーナーキックからFWパトリック(29)が放ったヘディングが、アルビレックス新潟のGK大谷幸輝(28)に阻まれた。後半もカウンターで攻め上がったMF柴崎晃誠(33)のシュートがブロックされるなど、あと1歩及ばない場面が重なった。

 DF水本裕貴(31)は「手づまり感があった」とリズムに乗り切れなかったことを反省した。この勝ち点1を1歩前進と捉え、今後のプラスに変える。