J2のFC町田ゼルビアに今季、加入した元モンテネグロ・ユース代表のDFボリス・タタール(24)が、公式戦に1試合も出ないまま25日、契約を満了して退団した。同日、クラブが発表した。

 タタールは、モンテネグロU-17(17歳以下)、19、21代表を経験し今季、フィンランド1部ラハティから加入。1月28日に東京・町田市で行われた新体制発表で、加入が電撃発表された。182センチ、80キロで、センターバックと右サイドバックが出来るユーティリティー性があり活躍を期待された。

 ところが、加入後の5月に左すねを痛め、精密検査の結果、左シンスプリントで全治8~10週間と診断された。それ以外にも、肉離れなど細かな筋肉系の故障も繰り返した。

 その中、練習試合には出場していたものの、相馬直樹監督(46)のチーム戦術に適応しきれず、リーグ戦、天皇杯とも出場機会がなかった。

 タタールはクラブを通じてコメントを発表した。

 タタール まずはこの1年間の皆様のサポートに感謝しております。本当にありがとうございます。今シーズン、クラブの一員になれたことを大変うれしく思っています。それは、チームメートをはじめ、沢山の素晴らしい方と出会えたからです。サポーターの皆様は常に12番目の選手として、一緒に戦ってくださいました。毎試合、私はその姿に驚かされました。サポーターだけでなく、スポンサーの皆様、メディアの皆様、そして1年を通してサポートしてくれたスタッフ全員に、感謝をしております。本当にありがとうございました。この11か月間、沢山の経験ができましたし、沢山の思い出もできました。ただ唯一の後悔は、いつも温かい声をかけてくださる皆様の前で、私のプレーをお見せできなかったことです。でも、また近い将来、私は再び皆様と会えると信じています。そうできるように今後も頑張っていきたいと思っています。1年間、本当にありがとうございました。これからもFC町田ゼルビアの、ファン・サポーター、関係者の皆様の成功を心より祈っています。またどこかでお会いしましょう!

 町田は今季、16年の7位を大きく下回る16位でシーズンを終えた。終盤は、9月2日のロアッソ熊本戦以降、8分け3敗と11試合、未勝利が続き、ホーム戦も7月16日の水戸ホーリーホック戦以降4分け5敗、4カ月も勝てないままだった。20年のJ1ライセンス取得という目標を掲げ、相馬監督の18年の続投も決まっている。