全国高校サッカー選手権に2年連続出場する旭川実が今日31日、初戦で宜野湾(沖縄)と対戦する。12月に入り2度の本州遠征を組み、6度目の選手権出場で初めて大学生相手の実戦を組んだ。8強進出した全国高校総体からワンランク質を上げるために、格差ある相手とのマッチアップで目と体を高いレベルに慣れさせ初の全国4強につなげる。

 12月上旬の1度目の遠征で、大学サッカーの強豪駒大のトップチームと40分×2本、高校選手権仕様の練習試合を実施した。結果は1-6と大敗も、富居徹雄監督(45)は「縦に速いチームとやらせたかった」と狙いを説明した。レベルの近い高校生でなく、身体能力的で勝る相手に食らいつかせ、潜在的な力を引き出すことを試みた。

 「プレッシャーやカウンターの速さは高校生相手では味わえないものがあった。インターハイ8強で慢心してはいけないし、刺激になった。もう高校生相手にビビるものはなくなった」と、DF櫛部悠路(ゆうろ)主将(3年)。ベスト4に生き残るためのショック療法が、選手たちのメンタルを引き締めた。

 昨年は米子北に初戦で0-3と完敗。その悔しさがバネとなり夏の8強進出につながった。「力を出させないで負けたら子供たちに申し訳ない」と富居監督。高校総体8強で自信をつけ、大学生にカツを入れてもらい“ふた皮”むけた旭川実が、夏冬連続で旋風を起こす。【永野高輔】