ベガルタ仙台に6年ぶりに復帰したMF関口訓充(32)が、明日14日のホーム川崎フロンターレ戦(午後7時開始)にメンバー入りすることが確実となった。12日、仙台市泉サッカー場で行われたチーム練習後に渡辺晋監督(44)が明言したもので、今日13日のJリーグ追加登録が認められ次第、正式決定となる。仙台を離れて浦和、C大阪と強豪クラブでキャリアを積んできた男が、12年11月24日の新潟戦以来1968日ぶりにベガルタゴールドのユニホームをまとい、聖地ユアスタのピッチに立つ。

 10日に電撃復帰を果たしたばかりの関口に、早くも出場チャンスが巡ってくる。15連戦の4戦目を終えたばかりだが、主力4選手が相次ぎ負傷離脱。また前日11日のアウェー名古屋戦では、DF大岩一貴(28)がレッドカードで次節出場停止。関口にも実戦復帰のスケジュールを早めて、ベンチ入りしてもらうことになった。

 関口 仙台はプロとしてスタートした場所。仙台を離れても結果は気になっていたし、いつかはこのチームの力になりたいと思っていた。戦術うんぬんは関係ない。仙台を出てから5人以上の監督とやってきて、試合にも出ることができた。試合勘がないとかは抜きにして、ピッチに立てばなじめる自信はある。

 昨年12月にC大阪を退団し、仙台からオファーを受けるまで、フリーの立場で自主トレを続けた。ノートに書き記しておいたフィジカルトレーニングのメニューを元に、シャトルランなどを1人でこなした。ときには地元東京で兄が指導する多摩クラブの練習に参加し、中学生に混じってボールを追いかけ、オファーに備えてきた。

 開幕からリーグ戦4勝2分け1敗と好調を維持し2位につけるが、試合のたびに負傷者を出す非常事態が続く。渡辺監督は関口について、「サブに入れます。戦術的な浸透度がどうのというより、今の彼はサッカーに飢えている。サッカーをやりたいというエネルギーがたまっている状態。気持ちでプレーするタイプだし、何も考えずに走り回ってくれると思う」と期待を寄せた。関口は「サッカーは1人でやるより、みんなでやったほうが楽しい。ユアスタは自分を大きくしてくれたスタジアム。出たら、サッカーができる喜びを感じながらプレーしたい」と意気込んだ。【下田雄一】