ワールドカップロシア大会日本代表MF香川真司(29=ドルトムント)が24日、福島・Jヴィレッジ(楢葉町、広野町)で行われた「JFA・キリン ビッグスマイルフィールド」にサプライズ参加した。サッカーを通じた地域コミュニティー再生の活性化を目的に「復興応援 キリン絆プロジェクト」の一環として行われたもので、9月に新規オープンした全国初の全天候型練習場に約500人の児童を集めサッカー教室で交流した。

香川は11年の東日本大震災後、初めてJヴィレッジを再訪。前日23日にドイツから帰国したばかりだが「来るまでの道のりが懐かしかった。うれしい」と疲労を忘れて喜んだ。中学、高校時代をFCみやぎバルセロナ(仙台市)で過ごした香川にとって縁ある地。中学2年の時に人生で初めて出場した全国大会、日本クラブユース選手権(U-15)が行われた会場だった。

「憧れた場所。プロを目指した、世界と代表を目指した、たくさんの思い出が詰まっている」。原点の地に戻ると、自然と奮い立った。ドルトムントで自ら「構想外」という苦境に立つが「試合に出られず、日本代表にも入っていない。でも、全く諦めてない。来年は必ず結果で証明したい」と力を込めた。

震災後、この活動を続ける香川は「大きな夢を持つこと。これに尽きる」と少年少女にアドバイスを送った。それは、夢のスペイン挑戦を今冬に実現させたい自身にも、言い聞かせているようだった。【木下淳】