流通経大柏(千葉)は“強肩”のMF熊沢のロングスローから奪った1点を守りきり、2年連続の4強進出を決めた。前半6分、ゴール前への熊沢のロングスローにFW岡本が頭で合わせ、DFにブロックされたこぼれ球を2年生のMF八木がゴールに蹴り込んだ。

空中戦の強さがチーム最大の武器だ。ここまで3試合で挙げた4得点は全てセットプレーから。初戦の徳島市立戦でもロングスローから同点ゴールを奪った。ターゲットには鹿島アントラーズ入りが内定している身長180センチのDF関川ら長身の選手を並べる。

熊沢は体育の授業で行ったハンドボール投げで42メートルを記録。「学校で1番だった」という強肩の持ち主だ。上半身をしなやかに使って山なりとライナーの2球種を使い分け、この日も10本以上を投げて相手ゴールを脅かし続けた。ストレッチなどで肩のケアも欠かさず「スローインはCKと変わらないチャンス。点がとれたことは自信になる」と胸を張った。

今季背番号10を背負い、県予選では全4試合連続得点でチームを再び全国の舞台へ導いた。前回大会も関川らと共に準決勝のピッチに立っており「経験を伝えて、自分たちがプレーで示していきたい」。足だけではないエースが、2度目の優勝へ向けたキーマンとなる。【松尾幸之介】