J2東京ヴェルディが19日、都内で新体制発表会見およびクラブ創立50周年記念事業発表会見を行い、クラブのエンブレムを変更すると発表した。

新エンブレムは、旧エンブレムに描かれていた始祖鳥のシルエットをよりシンプルに表したものと、ヴェルディの頭文字である「V」をモチーフとした2種類で、20年シーズンからユニホームなどで使用していく予定だという。

前身の読売サッカークラブ時代から使われてきた伝統のエンブレムが変更される。会見で羽生英之社長は、創立50周年を迎えたクラブが、次なる50年を歩んでいくための変化を取り入れたことを強調し「我々の変わるという覚悟を胸に、批判承知で発表したい」と新エンブレムを公開した。

デザインは英国人グラフィックデザイナーのネビル・ブロディ氏(61)が担った。サッカーイングランド代表ユニホームのネームと背番号のデザインなどを手がけた経歴を持ち、この日は会場で取材にも応じた。クラブとの話し合いの中で従来の始祖鳥のデザインを残すことは決まっていたと明かし「始祖鳥は東京ヴェルディのストーリーの中で主役となる大切な要素。シンプルで力強いデザインであること、多様化する全てのメディアに対応できることを目指して作りました」とその出来栄えに自信をみせた。

サッカー界では、17年1月にイタリアの名門ユベントスが楕円(だえん)形の伝統のエンブレムを変更し、クラブの頭文字である「J」をモチーフとしたシンプルな新エンブレムを発表。ファッションアイコンとしての浸透なども目指したマーケティング戦略へとかじを切り、世界へ衝撃を与えた。羽生社長は同じくこの新エンブレムを用いたアパレルグッズ展開の構想なども明らかにしており、創立50周年という節目で、日本随一の伝統クラブが、世界的なデザイントレンドの流れに踏み込んだ形となった。【松尾幸之介】