清水エスパルスは開幕ドロー発進となった。昨季2位のサンフレッチェ広島戦で、前半30分に日本代表FW北川航也(22)が先制点。押し込まれた後半に同点とされるも、3バックの新布陣で戦い抜き、1-1で引き分け。価値ある勝ち点1を手にした。

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日本代表の清水FW北川が宣言通りの一発を挙げた。0-0で迎えた前半30分、味方の浮き球パスに反応。得意の飛び出しでエリア内に進入すると、左足で逆サイドネットに流し込んだ。「パスが少し後ろ気味だったけれど、うまく抜け出せた。GKが触れない場所に打てた」。コースは狙い通り。有言実行で自身初の開幕ゴールをマークした。

悔しさを力に変えた。準優勝に終わったアジア杯では5試合に出場し、無得点。不完全燃焼で帰国すると、取材ではFW大迫やMF南野ら海外組と比較されることが多かった。容赦ない批判も耳に入ってきた。それでも、FWとしての信念はぶれなかった。

「これが今の実力。チームで結果を残して世間に示すしかない」。今季の目標は「前半戦で10得点」。6月の南米選手権出場を見据え、あえて高い目標を設定した。この日は日本代表で不本意な結果に終わった1トップで躍動。目に見える結果も残した。

北川は「自分にプレッシャーをかけ続けて、常にチャレンジしていきたい」。夢の海外移籍を実現するためにも立ち止まっていられない。覚悟のシーズンが始まった。【神谷亮磨】