J2アルビレックス新潟は13日、次節のアウェー横浜FC戦(16日=ニッパツ)に向けてトレーニングした。DF大武峻(26)は両側頭部の頭髪をソリ上げて、気合を入ったプレーを見せた。昨季の第31節愛媛FC戦(9月1日)からシーズンを挟んで15試合連続先発フル出場しているセンターバックは、無失点ゲームをもくろんでいた。

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DF大武は、側頭部の髪をゴッソリ上までソリ上げていた。もみあげから顔を覆っていたヒゲも、アゴの先端部に残すだけ。強い風が吹くピッチで、頭頂部に残している長い髪が揺れた。6対6、10対10のゲーム形式では不動のセンターバックの位置でプレー。「失点しないこと。失点しなければ勝ち点1は持って帰れる」。周囲に指示を出す声と同様、話す声も大きかった。

「(イメージチェンジの頭髪は)まだ過程。お楽しみに」。DF大武は「別に気合を入れたわけではない」と言いながらも次節横浜FC戦へ、自然と189センチの全身に気合を充満させていた。前節ホーム柏レイソル戦は0-1の惜敗。連敗は許されない正念場の戦いだ。「ミスするかも知れない、という状況さえ作ってはいけない」。90分間、集中を解かない構えだった。

横浜FCの前線の外国人選手は強烈だ。190センチのFWイバ(33)がターゲットになり、MFレアンドロドミンゲス(35)が周辺にうるさく顔を出す。「2人を抑えなくてはならない。FWイバへのパスコースを限定しなければならない」と話したDF大武は続けた。「ボールがFWイバに入ったらセンターバックの仕事になる」。昨年8月7日に解任された鈴木政一前監督(64)を引き継いで、同22日に就任した片渕浩一郎監督(43)の信頼厚い守備のカナメ。昨年9月1日の第31節愛媛戦から、先発フル出場記録を延ばしている。「ボールの奪い合い。球際には負けたくない」。そう話した大きな声は、決意の大きさも表していた。【涌井幹雄】