J1のFC東京を17年シーズン限りで引退し、現在はクラブコミュニケーターである元日本代表MF石川直宏氏(37)が31日、人気ファッションブランド「パブリックトウキョウ」が同日に新たに吉祥寺にオープンした店舗のオープニングイベントに出席した。

オープンを記念して、石川氏と同ブランドがコラボレーションした商品が発売。石川氏が生地選びの段階からこだわり抜いてデザインしたネルシャツ4種類、デニム2種類などが種類が用意された。ネルシャツは普段から着用することが多いといい、「お客さんが着ることを考えながら作りました」とできばえに納得の笑顔だった。

現役時代からハイセンスなファッションでもサポーターをひきつけた石川氏。「パブリックトウキョウ」を展開する「TOKYO BASE」を経営する谷正人氏(35)とは2年ほど前から親交があり、FC東京のホームタウンでもある吉祥寺への進出というタイミングでコラボ企画を決めたという。自身が作った商品が実際に店頭に並んだ風景に「不思議ですね。サッカーのゲームやカードで自分のものが作られているような感覚です」と、少し照れくさそうに笑った。

石川氏は何度も打ち合わせを重ね、細部にこだわりを詰め込んだという。ネルシャツの胸ポケット内部にはループが施され、サングラスを入れて前かがみになっても落ちないようにした。またデニムの腰部分につけたカギをかけるベルトは、車に乗った際も踏むことがなくなるよう場所を細かく調整。しゃれているだけでなく機能性も追求した。石川氏は「パブリックトウキョウさんのノウハウを活用させてもらいました」と笑顔で振り返った。隠れた部分にも詰まったこだわりをいくつ発見できるかも、楽しめるポイントになりそうだ。

商品化に至るまでに感じることも多かったという。目に見えるのは店頭の商品だけ。ただ、制作段階では多くの協力を痛感した。この日も、オープン前に開店の準備に走るスタッフの姿を見た。「サッカーでも目に見える部分は試合だけですが、裏方で準備している方々のおかげで成り立っている。同じですね」。感謝の言葉を口にした。

コラボ商品は吉祥寺店で先行販売し、その後全国の店舗で一斉に販売を開始する。石川氏は「まずは商品。手に取っていただいて、『これ、サッカー選手だった人が作ったんだってよ』くらいに思ってくれたら」と、1人でも多くの人の手元に届くことを笑顔で願った。