浦和レッズ大槻毅監督(46)が4日、埼玉・大原サッカー場で取材対応した。指揮できない5日のホーム川崎フロンターレ戦(埼玉)に向けた会見だったが、1日の鹿島アントラーズ戦(0-1、カシマ)で退場処分を受けた件について初めて言及。「先日、リリースを出した通りです。申し訳ありませんでした」と頭を下げた。

プレスリリースでは「選手と共に常に闘わなければいけませんが、あの行為は間違いでした。鹿島の選手並びにチーム関係者、すべての浦和レッズに関わる人たちに謝罪いたします。この経験を糧に、選手と共に闘っていきます」(原文まま)とコメントしていた。

問題の場面は鹿島戦の後半38分。テクニカルエリア前で起きた浦和MFエヴェルトン(26)と鹿島DF永木亮太(31)の競り合いに端を発し、指揮官がヒートアップ。左手で永木を押し倒して同39分に一発レッドとなり、監督やコーチにもカードが提示されるようになった今夏導入の新ルール下で、J1では初めての退場となった。

この場面に至った感情や動機は-。会見で質問が飛んだが「あの行為に関しては、自分が悪かったと認識している。これ以上はコメントを差し控えさせていただきたい」と多くを語らなかった。

クラブは翌2日、独自処分として大槻監督に戒告と制裁金100万円を科し、強化責任者の中村修三GM(60)も戒告としていた。Jリーグも続いて4日、規律委員会を開き、大槻監督に乱暴な行為があったとして1試合のベンチ入り停止処分を科すと発表。5日の川崎F戦で指揮を執れないことが正式に決まった。これに関しても「試合数について自分から話すことはできない。Jリーグが決めることで自分は従うだけです」と話した。

代行する上野優作ヘッドコーチ(46)について「長い付き合い。全幅の信頼を持っている」。鹿島戦で先発に抜てきしたGK福島春には、試合後は退場処分で語れなかったため、あらためて触れ「練習でいいパフォーマンスを見せていた。当然、ACLファイナルの第1戦で(西川)周作が出られないことを見据えた起用。周作は素晴らしいGKだが、福島も素晴らしい動きを見せてくれた。起用して良かったなと思います」とたたえた。

残留争いの真っただ中で迎える川崎F戦。残り3試合で勝ち点36から、どこまで伸ばせるか。佳境でベンチ入りできない事態を招いた自らへの戒めを踏まえ「選手には今日もトレーニングで伝えましたし、明日(試合当日)も伝えることはできる。協力してやっていきたい」と険しい表情でチームに託した。

DF槙野も「大槻さんは指揮できないけど、上野ヘッドコーチも長くやっている。大槻さんもギリギリまで雰囲気をつくってくれると思います。交代や指示はどうなるか分からない部分もあるけど、問題なく準備はできている。もう(試合後に)サウジアラビアへ飛ぶ便も日程も変えられないので、フロンターレから勝ち点3を取って気持ち良く行くことしかない」と総力戦でカバーする覚悟を強調した。【木下淳】