初出場の興国(大阪)が昌平(埼玉)に完敗した。随所に粘り強い守備を発揮して前半を折り返したが、後半はミスから連続失点した。攻撃も決定的な場面がなく、悔しい初戦敗退となった。個人の技術の高さを武器にしてきたが、全国の厚い壁にはね返された。

昨年はU-17日本代表に入ったFW杉浦力斗(2年)は、シュート0本に終わった。「前半は自分の動きだしがよくなかった。後半はサイドに流れながら(相手の)サイドバックを下げさせてチャンスをつくれた。もっと早く気付いてできればよかった」と悔しがった。

同じくU-17日本代表だったMF樺山諒乃介(2年)も「なかなか自由がもらえなかった。(シュート1本に終わり)1回しかないチャンスを決める選手になりたい。次、昌平とやれば倒したい」と雪辱を誓った。樺山とともに今大会後にJリーグ特別指定選手になるGK田川知樹(2年)は「1対1(の場面)で完全に負けていた。今日のことは忘れずに自分たちを高めたい」と話した。

就任14年目の内野智章監督(40)は「大阪代表として(大阪の他の高校に)申し訳ない気持ち。長い目で見れば昌平は最高の相手だった。(自分たちの)伸び率を一番上げられる負けになった」と冷静に振り返った。前日は卒業生のJリーグ、ヴィッセル神戸のFW古橋亨梧(24)が天皇杯を制し、日本一に輝いた。テレビで応援していた内野監督は「あの舞台に教え子がいること自体がすごいこと」と喜んでいた。