J2アルビレックス新潟のルーキーGK阿部航斗(22)が、先行き不透明な情勢の中「向上心」を自らに言い聞かせ、再開への準備を進めている。新型コロナウイルス感染拡大による全国緊急事態宣言を受け、4月17日からチームは活動を休止中だが、阿部はチームから与えられた在宅トレーニングメニューに加え、ヨガやストレッチなどでコンディションを維持している。実戦練習から遠ざかり、プレー感覚が鈍る心配もあるが「我慢の時。部屋の中でできることを見つけていく」。

感染予防で室内で過ごす時間が増え、体重管理も徹底している。「運動量はやはり落ちるので、これまで通りの摂取量ではダメ。糖質とカロリーの取りすぎはもちろん、食事の時間も考える」。ベスト体重は82キロ。筋力量が増えることによる体重増加にも注意する。GKは横への移動や前への飛び出しも多い。俊敏に動くことができる現在の体の維持に努め、筋トレの回数は調節している。

新潟の下部組織育ちの阿部は筑波大経由で新潟に加入。「正直、1年目からこんなに激しいポジション争いは予想していなかった」。練習再開後は昨季リーグ戦全試合出場のベテラン大谷幸輝(31)、東京五輪日本代表候補で開幕スタメンの小島亨介(23)、U-18日本代表の藤田和輝(19)との競争がまた始まる。「競争率は高いが、一番成長できる環境にいられる。必死でアピールするため今は準備する」と意気込んでいる。【小林忠】

◆阿部航斗(あべ・こうと)1997年(平9)8月1日生まれ、新潟市出身。新潟U-18、筑波大。U-17W杯日本代表。19年にはユニバーシアード日本代表の守護神として世界一に。今季は元新潟GK野沢洋輔やGK東口順昭(ガンバ大阪)がつけた背番号「21」を背負う。185センチ、82キロ。