J3のSC相模原の元日本代表MF稲本潤一(40)が5日、自身初となるインスタグラムの生配信機能を使った「インスタライブ」に出演し、在宅生活の近況や、かつて所属したアーセナル時代などを振り返った。

配信は、クラブが定期的に行っている生配信企画「サガミスタ 在宅ナイト」としてクラブオフィシャルライターの北健一郎氏とのトーク形式で行われた。稲本は緊急事態宣言でチーム活動停止後は外出を控え、近所への愛犬の散歩などで気分転換していることを明かした。4月中旬には「インスタグラムとか見ていて、みんなやってるなと思って」と自身もエアロバイクを購入。インターバルトレーニングなどで調整する傍ら、子育てにも時間を割いているといい「こんなに長く一緒に過ごすこともなかった。僕は怒れないですね。奥さんはがっつり怒りますよ。それでバランスとれていたらいいな」と話した。

視聴者からは01年に移籍したアーセナル時代についての質問も寄せられた。当時のアーセナルは01-02シーズンにリーグ優勝と国内カップ戦の2冠、03-04シーズンにはリーグ戦で無敗優勝を達成するなど、充実期を迎えていた。稲本は加入後すぐに違いを感じたといい、「移籍する時って、ある程度自信を持って行くじゃないですか。でも、実際行ってみるとレベルが全然違った。これはまずいなと最初に思いましたね」と振り返った。当時のフランス代表の中心選手だったFWアンリらそうそうたる顔ぶれの中で、最も衝撃を受けた選手には元オランダ代表FWベルカンプを挙げた。「うまかったですよマジで。シュートの質、動きのキレがあった。あのときのチーム、強かったんですよね」と懐かしそうに語った。

あれから約20年が経ち、41歳を迎える今季は相模原での2年目を迎える。新型コロナウイルスの感染拡大で活動が停止して以降は「僕たちサッカー選手の価値というか、何もなかったら普通の人以下になるので」と無力感を感じていることを明かした。それでも「また再開した時にそれを喜んでもらえるような試合をやったりだとか、サッカー界全体としてスタジアムに来て、雰囲気だったり熱を楽しんでもらいたいなとか、自粛している中で(思いは)強くなっている」と力を込めた。

この日、稲本はクラブ公式アカウントにゲスト招待される形で出演した。これまでも知人らからインスタライブやYouTubeなどの出演を打診されてきたが「恥ずかしくて全部断っていました」といい、今回がSNSなどの生配信初出演。「相模原が盛り上がれば」とフレンチブルドッグの愛犬「もふ」も出演させるなどし、ファンを喜ばせていた。【松尾幸之介】