ヴィッセル神戸は1日、2日の北海道コンサドーレ札幌戦(アウェー)に向けて神戸市内で調整し、トルステン・フィンク監督(52)がオンラインで取材に応じた。

神戸は前節ガンバ大阪戦で、故障明けのベルギー代表DFフェルマーレンが今季初出場した。前節休養のために欠場していたMFサンペールも、札幌戦では2試合ぶりの復帰が濃厚。DFダンクレーもここ4試合欠場しているが復帰の可能性はある。

ドイツ人指揮官は「今週はけが人がなく、いい練習ができた。フルメンバーで臨める」と、ベスト布陣で臨むことを示唆した。

神戸はここまで2勝3分け2敗の9位。最近2試合は無得点が続く。「1対1の場面を制すれば、勝機は増える。これが1つの大きなポイントだ。前節G大阪に負けたのは、ゴール前の決定力に欠けたため。今週はチャンスを作って決める」と力強く言った。

秋にはACLの集中開催もあり、さらに過酷になる日程に向けて、神戸は今、1つでも勝って順位を上げておきたい事情がある。勝てば今後、MFイニエスタらベテランの主力を休養のために欠場させることも可能になる。

「現段階で週に1度の試合なので、この中でできるだけ勝ち点をつかむ。ACLが待つので、できるだけ勝ちたい。今後を考えて若手選手を使ってきた。MF佐々木、郷家、安井らは、試合に起用しても、レベルが落ちなかったことに満足している」

対戦する札幌は7月の再開後、3勝3分けと無敗を誇る。「前節の横浜戦を見た印象では、フィジカルが強く、速いサッカーをする」と警戒しつつ「我々が前半に先制点を取れば、(その後は)相手が出てきてカウンターも狙える。これは理想だ」と話した。

同じく取材に対応したDF大崎玲央(28)は、ここまで7試合にフルタイム出場中。「札幌戦は勝ちにこだわりたい。アウェー戦では0-0でもいいという考えがあるが、敵地であっても最後まで勝ち点3を狙いにいく姿勢を出していきたい」と、3試合ぶりの勝利を誓った。札幌の特長は「守備においては前節を見てもハイプレス、マンツーマン気味にプレスにくる。攻撃もFWジェイへロングボールを蹴って使い分けがうまい」と評した。

前節欠場のMFサンペールもオンライン取材では元気な表情を見せた。「次は非常に重要な試合になる。現状は全員が満足いく結果ではないが、できるだけ早くパフォーマンスを戻していきたい」。天皇杯王者としての完全復活を目指すことになる。【横田和幸】