アルビレックス新潟はホームで大宮アルディージャと対戦し1-1で引き分けた。

前半5分、大宮MF奥抜侃志(20)に先制を許す苦しい展開。しかし前半26分、左CKのこぼれ球をMFロメロ・フランク(32)が左足ボレーを決め、試合を振り出しに戻す。後半はFWに入ったシルビーニョ(30)を中心にチャンスを何度も迎えたがゴールを割れず、3試合連続のドローとなった。

新潟は3勝1敗6分けの勝ち点「15」となった。新潟は次節、ホームでレノファ山口(12日)と対戦する。

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ロメロが左足を振り抜いた。0-1の前半26分、左CKからのこぼれ球をエリア外で胸トラップ、ワンバウンドさせたボールを左足ボレーでゴールど真ん中に蹴りこんだ。開幕のザスパクサツ群馬戦(2月23日、3○0)以来の今季2得点目でチームを勢いに乗せたが、後半の好機を生かせず勝ち点「1」獲得にとどまった。

この試合をピッチ中央で支配したのが、新潟加入後、3試合連続先発出場となったMF中島元彦(21)だ。ボランチの位置から長短のパスでリズムを作り、守備が堅い大宮を揺さぶった。ピッチ上に響き渡るほどの指示でも味方を動かし、攻守でチームに連動性をもたらした。「そろそろ得点がほしい」と前日会見で語っていた通り、前半終了間際には無回転FKでゴールを狙った。惜しくもバーに嫌われたが、常に危険な存在であり続けた。

J1セレッソ大阪から育成型期限付き移籍での加入は7月21日。中島は今季自らに「2ケタ得点」という高い目標を設定する。昨季はJ3のC大阪U-23でプレー。豪快なミドルシュートを武器に34試合で9得点を挙げた。アルベルト監督(52)は中島を「十分にJ1で通用するレベル。可能性を秘めている選手」と信頼を寄せる。チームは中島を経由することでテンポよくパスがつながり、勢いを持ってゴール前に迫った。

新潟はこれで第4節ホーム松本山雅FC戦(7月11日、1○0)から7試合連続で勝ち点をゲット。第7節ホーム水戸ホーリーホック戦(7月25日、1○0)以来の勝利はならなかったが、スタジアムは中島のプレー1つ1つに歓声が起こり、大きな拍手が起こった。次節山口戦で中島が移籍後初ゴールでチームに勝利をもたらす。【小林忠】