昨季プレミアリーグ王者で全国選手権準優勝の青森山田が、新リーグ初戦で格の違いを見せつけた。J3秋田ユースを13-1で粉砕。本来は関東のJクラブユースや強豪校が参戦する高校年代最高峰のプレミアが主戦場だが、コロナ禍の今季は東北で戦う。2年生で背番号10を背負うMF松木玖生は「毎試合ハットトリック」を目標に掲げ、有言実行の3ゴールと3アシスト。MF安斎颯馬(3年)も負けじと3発で続いた。

黄金の左足がチーム10点目を刻んだ。後半10分、松木はゴール正面右で自らFKを得ると、低い弾道の強烈な一撃を左サイドネットに突き刺した。「ペナルティーエリアに近く、ニアというよりはファーに速くを意識していた」。前日にFKをファーとニアに打ち分ける練習を繰り返し「(黒田剛)監督に言われたことを忠実に受け止めてやった結果がああいうゴールにつながった」。直接FKでハットトリックを達成した。

前半10分に右クロスから左足、同14分には誰よりも早くこぼれ球に反応して頭で得点。「前半に2点決めて普段の自分なら『もういいや』となるが、目標の3点があったので、ゴール前にどんどん入っていけた」。今季からデポルティボMF柴崎岳らが背負ったエースナンバーで戦い、この試合で「10番初ハット」をマーク。「山田の10番は点数を取ってなんぼ。ゴールに貪欲でありたい」。目標の全試合ハットトリックも夢ではない。【山田愛斗】