日大山形が米沢中央に2-0で競り勝ち、15年以来5年ぶり14度目の優勝を果たした。0-0の延長前半8分、DF鈴木哲平(3年)が先制ゴールを奪うと、延長後半3分にはMF志鎌幹太(2年)が追加点を挙げた。ゲームキャプテンを務めるMF大河原陽(3年)が2アシストと主軸が結果を残し、12月31日に開幕する全国選手権(東京・駒沢陸上競技場ほか)の切符をつかんだ。

延長死闘の終わりを告げるホイッスルが鳴り響くと、日大山形イレブンは歓喜を爆発させた。苦しみを乗り越えての勝利に、大河原は「優勝した実感があまりないんですけど、試合に勝ててホッとしている気持ち」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

試合は互角の展開で、ロースコアのまま延長戦に突入した。延長前半8分。左からのクロスに、鈴木哲が勢いよく飛び込む。右足で押し込み「入ったのか分からなくて、すぐには喜べなかった。仲間に祝福されて、ゴールしたんだと気がついた」。自身にとっての大会初ゴールが、待望の先制点となった。さらに、延長後半3分には大河原のパスに反応した志鎌がゴールを決め、試合を決定づけた。

不名誉な記録を覆す。山形県勢は全国選手権で、13年連続初戦で敗れている。最後の勝利は06年度大会の羽黒にまでさかのぼる。大河原は「(13年連続初戦敗退は)選手のみんなが意識していること。チームの目標はベスト8だけど、まずは1勝したい」と、負の連鎖を断ち切る覚悟だ。【佐藤究】