初の決勝進出を逃し、現クラブ名で最後の一戦を終えた。なでしこリーグのマイナビベガルタ仙台は、皇后杯3連覇中の日テレ(東京)に1-4で完敗した。

前半の1点が遠かった。シュート数は日テレと同じ5本。決定機での勝負強さを欠いた。ゴールポスト直撃、相手キーパーの真正面と得点につながらない。歯がゆいシーンが目立ち、辛島啓珠監督(49)は「前半に1点が入っていれば、展開が変わっていたかもしれない」と肩を落とした。

それでもチームの得点王が意地を見せた。0-4の後半40分。今季10得点のFW浜田遥(27)がゴール前に持ち込むと、飛び出した相手GKの頭上を越える右足ループシュートでゴールネットに突き刺した。だが「本当に勝ちたかった。とても悔しい気持ち」と、勝利なしには喜べなかった。

今季最後の公式戦を終え、退任する辛島監督を始め、ベテラン4選手もチームを離れる。浜田は「先輩方が作ったチームの良さを、これからも守っていきたい」と誓った。経営権が変わり、来年からは「マイナビ仙台」として再スタート。新体制を整えながら、9月にスタートする日本初の女子プロリーグ、「WEリーグ」開幕元年に船出する。【佐藤究】